再生医療による治療ができない人
Isolagen社によると、自己免疫疾患患者、免疫力低下患者、皮膚癌患者、細菌感染者には使用すべきでないとしている。 また、休止状態のヘルペス罹患部位への使用は注入によって活動を再開する恐れがあるため避けるべきだとしている。
再生医療注入剤のリスク/副作用
Isolagen社のこれまでの4,000臨床以上の結果、アレルギー反応などの症状は1例もでなかったが、注入部位の赤みや腫れは出現したと述べている。
日本において同種の治療を行っている医療機関の説明では、免疫細胞ではないものの、皮膚細胞と繊維芽細胞はサイトカインを産生する。 そのため、何千もの繊維芽細胞を一度に真皮下層に注入すると数時間から数日間にわたって注入部位がサイトカインの作用によって腫れてくる ことは、当然想定できる。その腫れの程度や持続期間は人により異なるものの、徐々に引いてくるので心配ないということだ。
遺伝子を操作するわけではなく、遺伝子を持った細胞を培養し増殖させるだけのものだから、暴走する(コラーゲンを作りすぎて凸凹になる) 心配もない。
再生医療注入剤の効果と持続時間
即効性を求めるのならば再生医療による注入剤は不向きである。肌の張りの素を生み出す細胞(繊維芽細胞)を注入する療法のため、 コラーゲンやヒアルロン酸で凹み穴埋めする注入剤とは考え方が全く異なるからである。
効果はじわじわと現れる。注入した繊維芽細胞が、ゆっくりとコラーゲンを産生し弾力を復活させていくからだ。そのため、効果がはっきりと 自覚できるまでには注入してから1〜2ヶ月は見ておいたほうが無難だといえる。
効果の持続時間は、ヒアルロン酸やコラーゲン注入の比ではない。サーマクールのように照射後3ヶ月〜6ヶ月掛けて皮膚が活性化した後再び 老化に向けて下降していくものよりもはるかに長い。
開発元のIsolagen社では3ヵ年ほどはコラーゲン産生能力が向上したままだということだが、 個々人の加齢のスピードが異なるため人により格差は出る。理論上は加齢によって再び産生能力が衰えない限りは、 異物ではなく自己の細胞であるのためヒアルロン酸やコラーゲン注入と異なり異物として排泄される心配は少なく、永久的に生着するものと考えられる。
今までの注入剤は注入したそのときが最高の状態で、その後時間の経過とともに吸収され元の状態に戻ってしまうため、 再注入の目的は吸収されたものを再度補充するという考え方だった。
再生医療による繊維芽細胞の注入は、注入した細胞が生着し、健康な若い細胞として活発にコラーゲンを産生させるというものだから、 注入を繰り返せば繰り返すほど肌の若返り効果が得られるという点が大きく異なる。
ただし、老化を抑えるというものではなく、加齢によって衰えるコラーゲン等の産生能力だけを改善する方法だから、 シワやタルミなら何にでも効く魔法の注入剤と思うのは期待しすぎである。
効果のある部位とある人
加齢によって窪んだ部分全般や加齢によって出てきたシワ全般には非常に満足の行く効果が得られるようである。とりわけ、他の注入物では 難しい皮膚の薄い部分(目の下の窪み・くま、目の上の窪み)の改善には、非常によい効果が出ているように思われる。
加齢に伴いコラーゲン産生能力が衰え、弾力を失ってしまった皮膚を再生させる能力であるから、20〜30代といった若い人には 効果を体感できるものではない。
Isolagen社では若い人であればあるほど細胞の働きが活発であることから、若いうちに将来に備え自己細胞を 保存しておく方法を同社では研究中だということだ。これは例えば、35歳の時点で将来の使用に備えて線維芽細胞を凍結保存しておき、患者が45歳になったときに35歳 時の線維芽細胞を皮下に注入できるというもの。若いときの細胞は、光で損傷された皮膚を修復し細胞を新生させる効果が高いとしている。